専門的活動(チーム医療)

糖尿病教室について

2000年幌南病院の時代から、糖尿病教育入院の方を対象に糖尿病教室が始まり今に至っています。現在の糖尿病教室は、毎週火・水・木・金曜日とし医師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士、薬剤師、看護師と多くのコメディカルの方が各分野において45分間の講義を実施、指導にあたっています。

対象も発足当初の入院患者のみでなく、外来又は家族など幅が広がっており、平均4名前後の方が参加してくれています。これからも、糖尿病患者が糖尿病についての知識、技術を取得し、自己管理への動機付けとなって、糖尿病を受け入れ、治療に対する心構えが出来るような教室を実施していきたいと考えます。

ICT(感染対策チーム)について

患者さんやそのご家族、実習生や病院に勤務している全ての職員等を感染から守るために、ICT(感染対策チーム)を中心に、ラウンドやサーベイランス(耐性菌、SSI、BSI、UTI等)、感染管理教育、マニュアルの作成・改訂等の活動をしています。スタッフ一人一人が科学的根拠に基づいた正しい感染対策を実践し、患者さんが笑顔で入院生活を送れるよう頑張りたいと思います。

NST活動(nutrition support team:栄養サポートチーム)

NSTとは栄養サポートチームの略称です。当院では2006年に設立され入院患者さんの栄養状態を把握し、栄養状態が不良な患者さんに対して多職種で構成されたチームで評価、提言、介入などの活動を行っています。

入院患者さんの中には外科的手術や化学療法に伴う栄養状態の悪化、脳血管疾患や慢性呼吸器疾患などに伴う食事量低下や必要エネルギーの増加により栄養状態が悪化することがあり、退院が困難になったり、褥瘡や免疫力の低下など合併症の発症や治療の妨げとなることもみられます。

NSTチームでは、週一回のミーティングで全入院患者を対象として栄養状態の評価を行い、栄養摂取に対する提言を行っています。また要請があればベッドサイドで患者さんの診察をしながら現場のスタッフとともに栄養摂取についての議論を行い、栄養サポート計画を立てています。

これらの活動により褥瘡の治癒を促したり、呼吸状態の改善などにつながっています。2015年度の実績では、週一回のカンファレンスを実施した件数は229件で、栄養状態の観察が必要なリスク患者に対する評価と提言を実施した対象患者は145名でした。

RSTについて

呼吸サポートチームは、医師、看護師(集中ケア認定看護師、救急看護認定看護師、呼吸療法認定士)、臨床工学技士、理学療法士で構成したチームです。人工呼吸器を装着した患者さんが早期に人工呼吸器から離脱できることを目的として活動しています。

主な活動は、週1回、一般病棟で人工呼吸器を装着している患者さんのもとへチームで訪問し、安全な人工呼吸器管理が行われているか設定や設置状況の確認を行っています。

また、口腔ケアやポジショニングなど、人工呼吸器装着中のケアについて提案したり、看護スタッフからの相談を受けています。人工呼吸器装着中の感染管理についても感染管理認定看護師と連携しアドバイスを行っています。

その他の活動として、人工呼吸器ケアに関連した院内マニュアルの見直しや、学習会の企画を行い、スタッフの人工呼吸器ケアの知識・技術の向上に努めています。

緩和ケアチームについて

「緩和ケア」は、がん治療の初期段階から、痛みなどのつらい身体症状や、不安・落ち込みなどの精神的な苦痛をやわらげ、患者さんとご家族の生活を支える医療です。

緩和ケアチームは、身体症状・精神症状の緩和を担う医師、専門・認定看護師、薬剤師、臨床心理士、ソーシャルワーカーといった、医療専門職者で構成されています。

このような多職種が、主治医および看護師と連携・協働し、がんと共に生活する患者さん・ご家族の支援を行います。自宅療養をされる方には、外来診療も継続して行い、よりよく生活できるよう支援しています。

褥瘡回診チームについて

当院では院内各職種から構成される院内褥瘡対策委員会と看護部の褥瘡対策委員会が月1回の定例会議を開催しながら、院内の総合的な褥瘡対策を実施している。

日常的には各部署褥瘡対策委員会メンバーが中心となって各病棟の対策を実践している。さらに院内褥瘡対策委員会のメンバーが、毎週院内の褥瘡患者の回診をしている。

この回診チームは、皮膚科医師、皮膚・排泄ケア看護師が中心となり、理学療法士、薬剤師、管理栄養士から構成されている。各症例の事前の討論を経て、病棟に出向き病棟担当看護師と患者さんの状態についてDESIGNツールやアセスメントシートを用いての褥瘡の状態の把握、マットの使用、治療薬剤の選択、栄養の問題さらに退院後のケアプランなどのディスカッションを行い、ベッドサイドで処置を一緒に行っている。

このような個別のケースの問題点を解決しながら病棟に基礎をおいた院内全体の褥瘡対策のレベルアップをはかっている。今後各主治医、NSTなどとの連携を視野に入れながら、さらに褥瘡対策を進歩させていきたい。